意識高い系東大生830が大企業に新卒入社した顛末

意識高い系東大生830が大企業に新卒入社してからの顛末を綴っていきます。

830の経歴_9(工学部機械工学科)

今回は、
大学2年の夏に進振で、
工学部機械工学科に決まってからの、
研究について書いていきます。

 

 

概要

まずは、
進振という制度についてご説明します。

東京大学の入試では、
理科一類・二類・三類、文科一類・二類・三類
の中から一つを選択して出願を行います。

多くの大学では、
工学部機械工学科のように、
学部と学科までしっかりと区別して合否を決めるのに対して、
東京大学ではどんぶり勘定で合否を決めて、
大学2年の夏に改めて、
進学振分けを行う仕組みになっています。

830が東京大学を決める一つの理由にもなりましたが、
高校生という早い段階で、
将来何がしたいのか、
多くの人はあやふやな状態だと思います。

そんな中で、
その決断に1年半の猶予をもらえる、
という仕組みになっています。

この仕組みのおかげというか、
この仕組みのせいというか、
大学に入ってからも、
進振まではしっかり点数を取っていかないと、
進学先を決められなくなってしまうので、
みんな真面目に勉強しています。

 

どんぶり勘定で合格者を決めるといっても、
と大枠は決まっています。

この枠を飛び越えて、
理科一類から農学部に入ったり、
理科二類から経済学部に言ったりすることも可能ですが、
枠を飛び越えるためには点数が必要なので、
そういった人はしっかり勉強しないといけません。

受験の段階では、
理科二類文科三類が簡単だというイメージですが、
科類によって、
進学先の大枠が決まってしまうので、
しっかりこの点は注意して出願するようにしましょう。

 

830は、
理科一類から工学部に進学しました。

工学の中にも、
航空宇宙工学科
機械工学科
建築学
システム創成学科
など多くの学科があります。

航空宇宙工学科のように人気な学科は、
非常に高い点数がいるなど、
特色があるので、
しっかり把握した上で、
定期テストに挑んで、
成績を残していかないといけません。

 

830は結局、
機械工学科に進学を決めました。

この時は、
それほど強い思いがあったわけではなく、
機械工学科が就職の推薦枠がたくさんある事や、
部活の先輩が言っているなどといった軽い気持ちで選択しましたが、
結果的にはいい選択ができていたなと思います。

ちなみに、
東京大学工学部機械工学科の大学推薦枠は、
山ほどあるので、
就職に困る事はありません。

「メーカーに行くんだったら、
大抵の会社の推薦はあるから、
エントリーする前に声かけてね」
って教授がいってました笑。

トヨタソニー
日本製鉄やIHI
ファナックデンソーなど、
本当にどこでも推薦枠があるので、
コミュ章で面接とか苦手みたいな人でも、
困ることなく就職できるんじゃないかなと思います。

東大だから必ずしも推薦枠が多いという訳ではなくて、
学部や学科によって全然違ってくるので、
この点にも注意は必要です。

 

大学の研究では、
フライホイール型エネルギー貯蔵器
というものについて研究を行っていました。

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図1 フライホイール型エネルギー貯蔵器の模式図

(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC)

フライホイールというのは、
図1の2で表される円盤を指します。

円盤を回転させ続ける事によって、
運動エネルギーという形でエネルギーを貯蔵し、
使いたい時はそのエネルギーを、
電気エネルギーとして取り出す仕組みとなっています。

実用化もされていて、
京急逗子線神武寺駅-新逗子駅間に、
回生電力を貯蔵するために、
フライホイール型エネルギー貯蔵器が利用されています。

フライホイール型エネルギー貯蔵器は、
フライホイールを回して、
運動エネルギーを貯蔵しますが、
フライホイールを回すために、
主軸を支える必要があります。(図1の4)

ここで摩擦熱としてエネルギーが失われてしまうため、
摩擦を極限まで小さくする必要があります。

現状は、
強力な磁場によって主軸を浮かせて運用することで、
摩擦をなくしていますが、
強力な磁場を発生させるために、
支部を極低温に保つ必要があり、
電力を消費してしまうという問題がありました。

その解決策として、
一般的な軸受によって主軸を支える代わりに、
摩擦を極限まで小さくしようというのが、
830が行っていた研究です。

摩擦を極限まで小さくするために、
Friction-Fade-Out現象(FFO)というものを利用するのですが、
FFOを利用することによって、
摩擦係数を0.001オーダーまで低下させることができます。

摩擦係数0.001というのを想像しにくいと思いますが、
例を挙げると、
1tのトラックを1kgの力で押すことができるレベルなので、
トラックを指一本で動かせるくらいまで、
摩擦を小さくすることができるのです。

詳細を話すと長くなるので、
研究についてはこの辺にしておきます。

 

とても新しい領域の研究ができて楽しかったですし、
このあたりから、
エネルギー問題について考えるようになりました。

この研究と併せて、
学部時代にも就職活動を行い、
エネルギー問題に関心を持つようになっていきました。

エネルギー問題に関心を持つようになると、
どんな問題があるのか、
どんな対策があるのか、
どんな意見があるのか、
たくさん自分で調べるようになりました。

ここから今の830に出来上がり始めたなと思います。

こういった経験を基に、
多くの人に情報を発信して、
少しでも社会に貢献していければと考えています

 

そのために、
今回も考察では、
これらの経験から得た830の学びについて、
紹介していきます。

 

 

考察

大衆を意識した言葉使い

研究を行う中で、
当然ですが卒業論文というものを書きます。

研究の中で行った実験の結果や考察を、
大体A4で60ページくらいにまとめて論文を書きます。

論文を書いたことなんて当然ありませんでしたが、
呼んできた論文や先輩の論文を参考に、
草稿を仕上げて教授に校閲してもらいます。

何度も教授に修正されるのですが、
教授は本当に細かな言葉使いにまで文句をつけてきます。

「この部品、前は〇〇〇って呼んでたのに、
ここでは×××って省略されちゃってるから修正して」とか、
「この文章のつながりは一般的じゃないから、
こういう順番に書き直して」とか、
本当に細かい所まで修正されます。

初めは、
「こんな細かいとこどうでもええやんけ。
伝わったらええんちゃうんかい。」
とか思ってたんですけど、
ずっと教授に諭され続けて、
なんとなく言葉使いの重要性が分かってきました。

 

最近の若者の言葉使いに対する指摘で、
「主語と述語が分からない」とか、
「ですます調で統一しなさい」とか、
「勝手に略さない」とか、
色々とあるんですけど、
通じればいいと思うんです。

パッションイングリッシュとか、
ボディランゲージみたいに、
とにかくコミュニケーションが取れれば、
生きていくためには十分だと思うんです。

だけど、
論文みたいに大衆向けに書かれるものについてはそうはいかない。

誰が読んでも理解できるようにしないといけないし、
後世の人が読んでも理解できないと、
書籍に残す意味がないんです。

世界にはいろんなバックグラウンドを持った人がいます。

誰が読んでも理解できるようにするためには、
主述などに抜けのない完全文を使わないといけないですし、
認識の食い違いが生じないように一意に定まる用語を使わないといけない。

細かい所なんですけど、
本当に大切な事だと思うんです。

 

普段生きていると、
どうしても似たバックグラウンドを持った人とばかり話すことになります

すると、
暗黙の了解見たいものを共有した上で、
会話が進む。

普段の生活ではそれでいいんですけど、
大衆に向けて話をする時、
大衆に向けて文章を書く時は、
それではいけない。

教授とかには、
「若いやつはこういう事も出来ないのか」とか、
「こういう所をしっかりできないと社会ではやっていけない」とか、
よくわからない表現で怒られることが多くて、
なかなか理解できなかったんですけど、
誰とのコミュニケーションなのかを、
しっかり考えないといけないという事なんだなと思いました。

だから、
「若者言葉は言葉が抜けすぎてて理解できないダメな言葉使いだ」
っていう認識も、
「おっさんは細かい所まで文句言ってきてうざい」
っていう認識も間違っていると思うんです。

コミュニケーションを取る時は、
TPOをわきまえた上で、
どの言葉使いをしないといけないのかをしっかり判断しないといけない

そのためにも、
若者はきちんとした完全文を覚えないといけないし、
年配の人が若者と話したいのであれば、
若者のバックグラウンドや言葉使いを学ばないといけない。

そういった中で、
こっちの言葉使いが正解で、
あっちの言葉使いが間違いだって、
概念は必要ないと思うんです。

選択肢はたくさん持っていた方がいいと思うので、
食わず嫌いせずにたくさんのことを受容していけばいいと思います。

 

一つ言っておきたいことは、
お互いのバックグラウンドを把握しないと、
正しくコミュニケーションをとることはできないということ。

相手のバックグラウンドを学びもしていない段階で、
言葉使いや態度を否定するのは、
お門違いだと830は思います。

自分のバックグラウンドにそぐわないというだけで、
自分と考え方が違うというだけで、
相手を否定してしまうのは、
本当にもったいない機会損失だと830は思います

 

ケアレスミスは大きな問題

論文を書く中で、
小さな言葉使いについても逐一怒られましたが、
その中で、
「一つミスしたら、
そういうやつだと思われる。
論文でケアレスミス一つしたら、
こういうやつが行った研究なのかって思われる。
すると、論文の価値が一気に下がってしまう。
だから、どんな小さなミスもしないように論文は仕上げなさい」
って言われたことがあるんです。

ケアレスミス一つで、
人の評価に大きな影響を与えてしまうというのは、
本当にその通りだなと感じました

世の中にはいろんな考え方があって、
完璧を目指すのはコスパが悪いから、
常に80点を及第点にして、
さくさく物事を処理していきなさい
みたいな本もよくありますよね。

しっかりそれぞれの長所・短所を踏まえた上で、
使い分けていかないといけないんだなと、
830達は本当に大変だなと思いました笑。

 

受験に関していうと、
ケアレスミスは本当に命取りになります。

一つのミスで合否が変わってしまいます。

特に連鎖している問題などでは、
序盤でケアレスミスしてしまうと、
連鎖的に大きく現連されることが多々あります。

演習などだったら、
「ここで計算ミスしただけか。
考え方は分かってたからまあいいか」
と切り替えればいいんですけど、
本番ではそうはいきません。

計算ミスや読み違いなどをしないように、
どのようにしていかないといけないのか、
どういった所に注意を払っていかないといけないのか、
個人個人でしっかりと把握していく必要があります。

ケアレスミスをした時は、
自分の癖を探るチャンスだと思って、
どうしてこんなしょうもないミスをしてしまったのかを、
しっかりと分析するように心掛けましょう

すると安定して高得点をとれるようになっていきます。

 

受験生の時って、
ケアレスミスのせいで落ちるとかありえへん。
もっと実力みてくれよ。」とか、
思ちゃったりするんですよね。

だけど、
ケアレスミスするレベルの実力なんですよ、あなたは」
ってことなんですよね。

医者になって、
ケアレスミスで人が死んじゃったなんてなったら、
とんでもない話ですよね。

だから、
絶対ミスしない人が欲しいんですよ、医学部は。

難関大学って、
ややこしい計算問題とかいっぱいあって、
文章もややこしくてめちゃくちゃミス誘ってくるんです。

それはミスするような人に来てもらったら困るからなんですよ。

ケアレスミスで合否が変わるように問題が作られてるんですよ。

成績いい人って、
毎回いい点数とってくるじゃないですか。

ミスしないんですよ、そのレベルの人って。

だから、これからは、
ケアレスミスを甘く考えず、
ケアレスミスをどうすればなくせるのか、
真剣に取り組みながら勉強していってもらいたいなと思います。

 

ちなみに、
830はすべての計算を2回するようにしてました。

当然時間はかかるんですけど、
その代わり、
次の問題進んだら、
前の問題は全幅の信頼を置いて解き進めていく。

確実に一発で正解を導くってことを意識してました。

良かったら参考にしてみてください。

 

まとめ

今回は、
進振りの説明から、
830の研究についてお話しさせて頂きました。

有名な進学校とかじゃなかったら、
進振りの情報とかも十分手に入らないと思うので、
参考になれば幸いです。

 

受験生の人は、
ケアレスミスをなくしていけるように、
今日から本気で取り組んでもらえたらいいなと思います。

 

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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